2013年8月18日日曜日

2013年度東松島市・石巻市学習支援プロジェクト報告!

当ブログでは2度目の登場、せいたろうです。
今回のテーマは、「学習室、東松島2度目の夏」です!
宜しくお願いします(^^)

去る85日から9日の5日間、学習室のメンバーで、宮城県東松島市の学習支援へ行って来ました。東松島市での学習支援は、昨年に引き続き2度目となります。


今年は東松島市に加え、新たに石巻市での活動も加わり、計9会場での開催となりました。主に午前は東松島市、午後は石巻市での活動となり、移動の多いハードなスケジュールでした^^;

20名の学習室メンバーが、仮設住宅の集会所や市民センター、中学校に子供たちを集め、彼らの宿題のお手伝いや自主勉強のサポートをします。中には、昨年に続いて学習会に参加してくれた子供たちもいました。メンバーの顔まで覚えてくれていた子供がいたのには、とてもびっくりしました。


各会場での奮闘・詳細なリポートは、とどろき・よこはま学習室Facebookページ(https://www.facebook.com/todoyokoschool?fref=ts)に譲るとして、今回のブログでは、僕の思ったことや全体を通しての感想を書き連ねていこうと思います。ちなみにこのFacebookページ、今回の東松島プロジェクトの各会場の様子がよくまとまっているので、是非ご覧ください!(^^)



―東松島の風景―
僕たちがお邪魔した東松島市も震災で大きな被害を受けています。津波に流された民宿の群、上階のガラスの割れた中学校。昨年見た東松島の風景と、今年見た風景。自分の頭の中で比べてみると、なんだか「あんまり」変わってないな、という答えが浮かびました。

昨年僕にとって衝撃的だった、津波の海水が引かずに貯まってできた「池」も、未だそのままでした。依然多くの方々が仮設住宅での生活を余儀なくされています。

もちろん、復興に向けて、連日たくさんの努力の汗が流れていることと思います。それでもまだまだ長い道のりを想起させるような現状が東松島にはありました。朝、会場に向かうバスの中でみた、トラックの長い列がそれを物語っているように思えてなりません。
冠水地域と残された家(84日撮影)


―嬉しかったこと―

 僕が担当した会場では、宿題を終わらせる子供もいました(まだ8月上旬なのに!)。そんな子たちには、特別に算数パズルや漢字ゲームを用意しました。また、勉強に手が着かなくなる最後の20分を使って、みんなで早押しの漢字クイズもしてみました。これが結構、盛り上がるんです(^^)

その日の終わりに、ある小学生女の子が、「明日も漢字クイズもってきてね。最低3個が約束だよ!」と僕に言ってくれました。次の日、その子は宿題をいつも以上に真剣に取り組み、無事終わらせると、黙々と僕が用意した算数パズルに向かっていました。

小学生にとって、勉強はそんなに楽しいものではなくて、むしろ非常にめんどうくさいものである事が多いと思います。そんな彼らが、「これだったら楽しいかも!」「自分にもできるかも!」そんな風に思ってくれていたら、それほど嬉しいことはありません。

また、仮設住宅の集会所では、異なる学年の子どもたちが一つの場所に集まって勉強します。そこでは、上級生の子が下級生の子に、漢字を教えてあげたり、同学年同士で公式を確認しあっていたりする姿もたまに見受けられました。

身近なお兄さんお姉さんが下の子のロールモデルになる。まさに、普段の学習室で僕たちが目指している形です。それが、この東松島の地でも垣間見えて、思わず微笑んでしまいます。

一生懸命勉強する姿


―反省点と課題―

もちろん反省点や課題もあります。集会所では、小学生と中学生が同じ場所で勉強する場合もありました。子供の数が増えてしまうと、手のかかる小学生ばかりに目が行ってしまい、中学生の勉強を全く見てあげられないことも。難しさを感じた瞬間です。

また、参加してくれた、子供たちの中には障害を抱えた子供もいました。勿論、来てくれた子供たちは、みんな大歓迎です。それでも、対応に苦心してしまう場面がありました。周りへの対応も含めて、今後の課題です。

中学生の参加が少なかったのも、残念なポイントでした。僕たち大学生は、進路選択や志望校選択を重ねて今があります。中学生の今後のヒントになる小ネタを持っているわけです。だからこそ、中学生には積極的に参加してほしいという思いもありました。中学生への学習会への動機付けを考えていく必要がありそうです。


―僕が東松島で思ったこと―

今年の東松島訪問にあたり、僕たちの間でひとつ大切にしようとしたことがあります。
それは、子どもたちとの交流。もっというと子どもたちの未来につながる交流です。

それは、ただ楽しく遊ぶということではありません。

限られた時間の中で、僕たちが、彼らにできること。彼らの世界が広がるように、彼らの将来の進む道のヒントになるように、彼らが純粋に勉強って楽しいと思えるように。それを目指して、彼らと勉強し、交流することだと思うのです。

これは、昨年の東松島プロジェクトでの経験「僕たちは短期間で子供たちになにを残せたか」という反省からも来ていると思います。

 一緒にホワイトボードを彩る

中学校会場では、連日、「大学生の話」と題して、学習室メンバーが自分の経験や未来へのメッセージを伝えました。市民センター会場では、ホワイトボードに自己紹介を書き、まず僕たちのことを知ってもらうことから始めました。小学生には小学生むけの話も準備しました。

中学生へ向けた「大学生の話」



僕たちが、東松島に来る意味とは。

読者の皆さんの中には、勉強を教える事がはたして復興支援につながるのか、という疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。

現地にいくなら、他にもっとやることがあるんじゃないのか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。


今回、東松島市のとある小学校の文集を読む機会を頂きました。そこには、2年前の震災の記憶が綴られていました。家が流されてしまった悲しみ、家族と無事再会できた安堵感、大きな揺れに対する恐怖、必死に泣き出す友達を一生懸命励ましたこと。


僕は、この文集を読み、彼らの心に残る傷を、そして、勇気をもってそれを文章に認めた逞しさを感じずにいられませんでした。

これから10年後20年後の東松島を担っていくのは、紛れもなく自分たちが今、教えている子供たちなんだ。5日間、エネルギッシュに勉強し、また、遊ぶ彼らを見て、そんな確信ともとれるものが、僕の心に浮かび上がってきました。

大きな可能性を秘めた東松島の子供たちは、これからも成長し続けていくことでしょう。

彼らは、今回の夏休み学習会のことを忘れてしまうかもしれません。
いつかの夏休みに、大学生が来て、宿題手伝ってもらったなあ、あれたのしかったなあ。こんな風なおぼろげな記憶に留まるかもしれません。

でも、それでもいいんです。


彼らがこれから成長し、東松島で、またもっと広い世界で活躍していく。その道の途中にある、ほんの一つの架け橋になりたい。

それが、僕たちが東松島に来る理由。
僕たちの復興支援のカタチなのかもしれません。

また来年も、この場所に戻ってきたいなあ。

 子供たちの学び舎

終わり