2013年5月31日金曜日

メンバーが語る学習室 ~松永杏さん~

―自己紹介をお願いします。
 慶應義塾大学文学部3年の松永杏です。横浜に住んでいます。学習室には大学2年のとき(震災後1年)からお世話になっています。趣味は映画を見ること、ダンスエクササイズ。あだ名は杏ちゃん、杏ねえさん!(笑)


―学習室を知ったきっかけと、参加した理由は何ですか?
 慶應大学の「塾生新聞会」に所属していたのですが、そこで先輩が学習室を取材していたのをきっかけに興味を持ちました。ちょうど学習塾のアルバイトをしていて年下の子に勉強を教えるのが楽しかったので、これなら私も貢献できるかなと思ったことです。
 と言っても、震災から1年間はボランティアは全くやっていませんでした。震災が起きた時はちょうど入試を終えた時で、目の前にある大学生活に慣れ、楽しむことの方が優先でした。震災後1年の時テレビで特集を見て、「大学での遊びも落ち着かせて、2年生だしもっと社会に貢献できることがしたい」と思うようになったことが一番の理由です。1年生のときは、不謹慎ですがそんなふうには考えることができませんでした。
被災地のボランティアも興味があったのですが、避難者の抱える現状も被災地と同じく重大だと感じたこと、学習室は学校帰りでも立ち寄れることなどを理由に、学習室を続けていきたいと思うようになりました。


―普段の学習室の様子はどうですか?
 机をコの字型にしてお互いの様子が見られるのですが、みんな真剣に勉強しています。大学生も子供たちも真面目です。もうちょっと雑談したいと思っているのは私だけでしょうか?笑

―学習室の好きなところはどんなところですか?
 子供たちが可愛いところです。これに尽きます。あとは、大学生のお兄さんお姉さんも本当に優しい。大学生にも色んなタイプがいると思いますが、ここの人たちは固すぎずチャラ過ぎず、優しくて真面目で一緒に活動がしやすいです。尊敬できる人ばかりで勉強になることが多い点も魅力です。頑張り屋の子供たちと、大学生メンバーが好きです。


―学習室を通して学んだことは?
(震災について、震災以外について両方教えてください)
震災について
避難者についてまずは知りました。震災の問題というと東北に目が行きがちですが、31万人の避難者のうち、7万人が被災3県以外の土地にいるといいます。東京都に避難者数は約9千人、神奈川県は約2千7百人も居り、神奈川県は千人近くの子供たちがいると言われています。そして、新しい土地にきた避難者のほとんどは単体で行動しているため、孤立していて、情報を共有できるコミュニティがないということなどの問題があることがわかりました。学習室は、子供たちの学習支援だけではなく、保護者さんたちの貴重なコミュニティの場としても機能していると感じています。

また、昨年の夏に学習室のメンバーで宮城県の東松島に行きました。そこで知ったことは、被災地の一側面なのかもしれませんが、被害のあまりの大きさと復興がまだまだ進んでいないということでした。

被災地においても、学習室の子供たちにおいても、みんな元気そうだ、というのがいつも受ける印象です。被災者を弱い者として見ること自体が間違いで失礼なのかもしれません。しかし、阪神大震災のとき子どもたちのPTSDの症状がいちばん見られたのが震災から34年後のことだったというから、まだまだ安らかになったとは言えないでしょう。だんだん周りが明るくなっていく中自分だけが3.11のままで「取り残された感」を抱いてしまう人も出るのではないかという懸念もあるといいます。子供たちの無邪気な笑顔の裏にあるものを忘れないようにしていきたいです。

震災以外について
 勉強の教え方や子供のことから、一つの団体の運営の難しさやイベントの企画や広報のし方など、今日も勉強中です()

―これから学習室をどのようにしていきたいですか?

 もっと多くの方に学習室のことを知っていただき、大学生メンバーも子供も増やしたいです!
 そして、もっと明るく、もっと楽しくしたいです。あと、子供たちの成績を伸ばしたいです。もっとできる!!もっとちゃんと宿題やれ!(笑)

 私は今まで以上に学習室に顔を出す回数を増やしたいと思っています。これからもよろしくお願いします!




【お知らせ】
・見学体験会を開催します!
「とどろき」201366日(木)・8() 1730~案内 1830~体験
「よこはま」201364()7() 17:30~案内 18:30~体験
・震災復興支援報告会を開催します!
2013610() 18:30~ 慶應義塾大学三田キャンパス
報告会宣伝用twitterアカウントhttps://twitter.com/shinsai_houkoku

【学習室公式twitterhttps://twitter.com/todoyokoschool

2013年5月27日月曜日

復興支援団体の合同新歓に参加しました!


文責:栗生恭輔

去る5月18日(土)に明治大学和泉キャンパスで行われた震災復興支援団体の合同新歓イベント「Tokyo Youth Conference for 3.11(通称TYC3.11)」にとどろき学習室・よこはま学習室も参加してきました!

イベントは2つの部に分かれており、第1部(14~16時)では被災地で支援を続ける3団体の3人のリーダーによるトークセッションが行われ、第2部(16時~18時半)で当団体を含めた参加団体(計17団体)がそれぞれブースを作って新歓を行い、最後は大広間での交流会を行いました。



↑第一部のトークセッションの様子です

イベント前の予想では団体関係者100人に対して団体に関係のない参加者が40人程ということで少し不安でしたが、当日は団体に関係のない参加者が100人弱集まり、イベントが大変盛り上がりました!

とどろき学習室・よこはま学習室の最大の見せ場は第2部の新歓でした。ブースの装飾などが準備不足で、しかも他団体がとても気合を入れて豪華な装飾を施していたのでとても焦りましたが(笑)、応援に駆け付けてくれた女子メンバーの助けによってなんとかブースが仕上がりました。

新歓の形式は151セットで、15分経ったら参加者は他のブースへ移動という形だったので、説明する側は15分でいかに魅力を伝えられるかということにとても神経を使いましたが、下の写真のように参加者と楽しくコミュニケーションを取りながら新歓ができたのではないかと思います。あくまで主観ですが。。。(笑)

↑新歓の説明会の様子です^^
みんないい笑顔で学習室の良さを伝えました!(
)


また、今回のイベントでは新歓のみならず、他の復興支援団体と縁ができたのがとても大きな収穫だったと思います。準備の段階や新歓のブース回り(説明するメンバー以外は他団体のブースで話を聞いてきました)、イベント後に行われた懇親会などで多くの復興支援団体の方と話をさせていただきました。以下参加したメンバーの感想を掲載します。


やはり一番痛感したのは、「私も東北に足を運ばなくては」ということでした。どの団体も被災地に実際に赴いて活動するもので、そういったものは、正直なんとなく自分が避けてきたものです。というのも、すごくお金がかかるし、色々な手配がとても大変だからです。しかしここで出会った団体は皆、何度も現地に足を運びコミュニティ形成に携わっていて、「大変そうだな~!!」と思わずにはいられませんでした。本当にみんなすごいっ!
「東北に行きたい!」という気持ちとともに新しくあった発見は、私たちのような、被災地を離れて生活している方々に目を向けた団体が私たちの他には一団体も無いということでした。今回の私たちの存在を知って、被災地を離れて生活している方々に目を向けたボランティアが増えたらいいなぁと思います。私たちは近場で活動しているので、今回出会った団体と同じくらいのエネルギーを持ったらもっと頑張れそうですね(^^)


TYC3.11に参加した団体のほとんどは被災した東北の「現地」での支援を「定期的」に行っている。それに対して「学習室」は神奈川県で「避難生活」を送っている子どもたちへの「継続的」かつ「密度の濃い」支援である。私たち「学習室」の強みはそれであるとTYC3.11に参加して、そして多くの団体のお話を聞いて改めて認識出来た。



感想として何よりあったのは「まだこんなにも復興に関わっている、携わりたい学生がいるんだ」というものです。というのは、震災や復興関連のイベントはだんだんと参加者が減少していると聞いていたからです。そんななか大勢の人が同じ問題意識を持って様々なアプローチで活動しているということは個人的にも参考になりました。
現在は、TYCの参加者の多くが言っていたことですが、「支援」や「ボランティア」という単語はだんだんと実情にあわなくなってきているとともに、何をすべきかみないろいろと模索している段階になっています。TYCで得た新たな人間関係を緩やかながらも大事にしつつ学習室の持つ独自性をさらに訴えていけたらと思います。


まず、現地支援ではなく被災地を離れて生活している方々を支援するという、学生団体の中では比較的珍しい活動形態に対して、多くの方が興味を持って話を聞いて下さったことに、素直に感謝しています。また、学習支援という活動が、居場所やコミュニティの形成、或いは子供たち自身の自尊心の回復といったものに貢献できることを教えていただき、勇気が湧いてきました。

現在、現地支援は次のフェーズへ移行しています。物資不足やがれきの問題が比較的解決してきた今、コミュニティづくりや地域での連携への注目が集まってきています。その中で、既に活動してきた団体が、これから学習支援や、子ども達への支援を始めようとしているようです。学習室は、その中では先駆的存在だと言ってもいいのかもしれません。そうした僕らの活動が持つ意味とは、一体何なのでしょうか? 或いは、他の団体とは異なり、被災地を離れて生活している方々を対象とした支援活動を行う者には、どういう意義があるのでしょうか? はたまた、僕らはその経験をもとに、どういうことを、これから社会に発信していけばいいのでしょうか? 考えは尽きません。


ぼく自身は、他のメンバーが語っている通り、このイベントを通して「学習室は現地に行かずに恒常的に復興支援ができる数少ない団体である!」という学習室の強みを実感することができました。その一方で、他団体と比べたときに広報がとても弱い・ヘタクソということも痛感しました。とどろき学習室・よこはま学習室の広報担当として他団体から学ぶべきことは多かったので、これからの広報活動で生かしていきます。
新入生の勧誘のみならず、復興支援団体との交流も図れて、その結果自分たちの活動を改めて見直す機会ことができたTYC3.11に参加できて本当に良かったです。説明を聞いて下さった方が実際に一人でも多く学習室に足を運んでくださればいいなと思っていますし、今回つながりのできた他団体と連携して活動していけたらいいなと思っています。

【お知らせ】
・見学体験会を開催します!
「とどろき」201366日(木)・8() 1730~案内 1830~体験
「よこはま」201364()7() 17:30~案内 18:30~体験
・震災復興支援報告会を開催します!
2013610() 18:30~ 慶應義塾大学三田キャンパス
報告会宣伝用twitterアカウントhttps://twitter.com/shinsai_houkoku

【学習室公式twitterhttps://twitter.com/todoyokoschool

2013年5月7日火曜日

メンバーによる活動報告 栗生恭輔さん


―自己紹介をお願いします。
横浜国立大学経済学部2年生の栗生恭輔と申します。去年の7月から当団体の活動に参加して、現在はこのブログの管理、よこはま学習室の金曜日の曜日リーダー※を担当しています。(※今年度から新しく創設された係です。担当曜日のメンバー集めやシフト組み、終わりの会の司会などを行います。)
散歩やランニングをするのが好きで、大学を卒業する前にはフルマラソンを完走してみたい!と秘かに思っています。

―学習室を知ったきっかけと、参加した理由は何ですか?
ぼくは生まれてから高校を卒業するまでずーっと宮城県に住んでいました。(ちなみに震災時は高2でした。)関東の方の大学に入学することになって宮城を出たのですが、いざ出てみると「こんなタイヘンなときに宮城を出てきてしまって果たしてよかったのだろうか?」と思い悩みました。関東に住みながらも地元の役に立ちたい!けど震災ボランティアとして毎週末現地に行くのは金銭的にも体力的にもタイヘン、、、と考えていた時に、同じ高校の友達がフェイスブックで当団体の活動をシェアしているのを見つけました。「現地以外にもニーズはあるんだ!」ということに気づき、また継続的に支援を行えるということで、当団体の活動への参加を決めました。

―普段の学習室の様子はどうですか?
雰囲気はとてもアットホームな感じでイイですよ!学年関係なく車座になって学習するので、子どもたちも大学生を見本にするだけではなく、1コ上、2コ上の友達の姿勢を見本にして学習します。時には子どもたち同士で勉強を教えあったりすることもあります。また、学習室に来る子は勉強をガッツリしたい子、大学生や友達に話を聞いて欲しい子などみんなが同じ方向を向いているわけではないので、大学生がその子その子に合った対応をしています。このようなことは普段の学校や塾といったところではなかなかできないようなことだと思いますし、学習室のイイところだと思っています。

―学習室の好きなところはどんなところですか?
子どもがみんな素直
学習室に来る子はみんなとても素直です。しゃべるときはしゃべりまくるけど、一度勉強を始めるときちんと集中してやり通します。こちらから言わなくても自発的にやってくれるようになるともっとイイですけどね!(笑)
大学生メンバーが優秀
学習室の大学生メンバーは楽しく勉強できるような工夫ができたり、子どもの心情を察したり、子どもたちにとっていいお兄さん役、お姉さん役になることが上手な方ばかりです。支えるときは支えてあげる。気合が足りないときは気合を入れてあげることができる方が多いからこそ、子どもたちも毎回来てくれているのだと思います。そういった点で、「優秀」な方がとても多いなと感じます。

―学習室を通して学んだことは?
(震災について、震災以外について両方教えてください)
[震災について]
うだうだ考えすぎないで、行動してみることです。もちろん被災者の心情はきちんと考えて行動しなければいけませんが、「支援のあるべき姿」などについて延々と考えていても現状は変わりません。学習室の企画だって成功しているものもあれば、当初の目的とは少し違った形で継続して行われているもの、1回やそこらでボツになったものもあります。できる限りのリスクヘッジをした上でなら、みんなが楽しめる・喜べると思ったものをどんどん提供していっていいのだと思います。ダメだったら引っ込めればいいという発想で。ちょっと言い過ぎで軽率とも取れる表現かもしれませんが、頭でっかちな傾向にあるぼくにとっては、このぐらいのメンタリティでいいんだと感じました。
また、継続して活動することがいかに大事かということも身を持って学びました。何回も子どもたちの勉強を見ていると、その子との間に信頼関係が生まれます。この信頼関係は子どもたちを指導していくうえで不可欠です。また、その子の心身の調子の変化なんかも分かりやすくなり、より効率的な指導ができるようになります。
[震災以外について]
子どもたちからも大学生メンバーのみなさんからもいろいろなことを学んでいます。毎回部活でクタクタになりながらも遠いところから来て文句ひとつ言わず黙々と勉強を頑張る子どもの背中を見て奮い立たされることだってありますし、大学生メンバーの行動力、企画力を目の当たりにして「自分もあんな風になりたい!」と思うことだってあります。学んでることの多さでいえば、学習室の運営で大学生メンバーと意見を交わしていく中で学ぶことが多いです。

―これから学習室をどのようにしていきたいですか?
神奈川の方に避難してきている子どもたちがもっと多く当団体で勉強を学べる環境を作っていきたいと思っています。そのためには、ぼくが管理しているブログはじめ、学習室のフェイスブックやツイッターでもっと広報に力を入れて協力してくださる方々を呼び込みたいと考えています。また、高校生になった子どもたちも多いので、その子たちが将来しっかりと自分の足で自分の人生を歩んでいけるような力をつけられるようなことも企画していきたいと思います。そのためにはまずぼくが自分の足で自分の人生を歩んでいけるような力をつけて子どもたちの見本になれるようになりたいです。